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Return to Cage in Lunatic Runagate.


あとがき

Afterword

どうも、ZUNです。この本を手にとって頂き有難うございます。

久しぶりの小説です。普段脇役に終わってしまう様なキャラ達が主役となり、オムニバス形式で独自の視点で幻想郷と自分の内面と表現した物になっています。

この小説単体では儚月抄のストーリーは判りませんが、キャラクターの深みが少しでも出るようになればと思って書きました。

幻想郷は森羅万象が独自の解釈から成り立つ世界となっています。時にそれが常人の理解を阻害する事もありますが、不思議な感覚を持ったキャラ達の一人称で書かれた小説ですので、一種の幻想小説として楽しんで頂ければこの本の存在意義はあるのでしょう。

それにしても現実に月面に水が見つかったりして、まだまだ灰色の月にもロマンが詰まっているようです。事実は小説より奇なりと言うのも、現実有ってこその空想ですので当然かも知れませんね。

普段の何気ない生活も些細な事象にロマンを感じながら過ごせば、幻想郷のキャラ達の言っている事が心地よく感じられるようになるかと思います。

さて、ロマンを感じながら生きるという事は難しいのでしょうか?

月面の平原を海と呼んだ人間はそうとうロマンチックだったのでしょう。月の裏側には都があり、常に地上から見えないように姿を隠したという。謎に特別な名前を与えたりストーリーを付加させたりするなんて、やはりロマンチストの仕事です。

では、実際に月の都を目指したり、ロケットを完成させたりする幻想郷の住人はロマンチストなのでしょうか?

幻想郷ではそれが技術の最先端であり、事実、歴史や自然摂理に反していないのですから、殆どの人間、妖怪はロマンを感じてはいない筈です。幻想郷の出来事にロマンを感じるのは、あくまでも外の人間だけなのかも知れません。

逆に、幻想郷では外の世界にロマンを感じています。毎日毎日、仕事や勉強、その合間に次々と送られてくる情報、家を出なくても出来る買い物等々……。幻想郷から見ればロマン溢れる日常かも知れません。

日常にロマンを感じる一番簡単な方法は、幻想の世界に生きる事でしょうか。意外と容易い気がしますね。日常から幻想小説を楽しんでいる方には。

ZUN

ZUN



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